ふじうら旅日記

3日目 その1






街に人が帰ってきた月曜日。
ループに乗ってシカゴ美術館へ行く。

3日目 10月06日 月曜日

月曜の朝。人気のなかったビジネス街に活気が戻ってきた。今朝は暖かなせいか、案外薄着の人も多い。一方、ぶすっと不機嫌な人も歩いている。

「休みが終ってさあ仕事、のサラリーマンか」「他人事じゃないね」

昨日ミシガン湖に行くとき、前を通って気になっていたモーニングビュッフェの店に今日は行く。7ドル99ということだったが、コーヒーは別で、あれこれでひとり12ドル近くになってしまう。サラダバーがあるかなと期待していたのだが、なかったので代りにフルーツを食べる。

今日はシカゴを離れる日だが、列車は夜8時の出発なので時間はたっぷりある。メインはシカゴ美術館だ。朝飯を食いながら相談する。
「歩いていくのは遠いし、ループで行かないか?」
それはいいなあ、と二人の賛同を得た。

ホテルをチェックアウトし、荷物を預けて身軽になって、マーチャンダイズマートへ。ここのビル内も昨日よりいくら活気がある。

ブラウンラインの乗り場で待ちながら図を見るとなんだか複雑だ。あーなるほど。北から来る電車はループを通って北に帰り、南から来る電車はループを通って南に帰る、という仕組みかー。

大江戸線とはちょっと違うんだけど、環状線ではなくて、尻尾のある二本の路線がこのループ部分で重なっているのである。
冷たくも晴れた空
ループはモノレールくらいの高さで、いままで見ていた風景とはちょっと変って面白い。まっすぐ南に行き、直角にかきんと曲がってまっすぐ東に方向を変え、またすぐ直角に曲がって北に進む。遊園地の乗り物のようだ。

北に方向を変えれば、目指すアダムス駅。降りるとシカゴ美術館はすぐそばだ。

美術館はみどころが多い。
いくら時間があっても見終わることがない。

美術館に着いたのが11時頃。とりあえず1時間後に再集合する。「ぜんぜん時間が足りない」ということなので、さらに3時間後に待ち合わせすることにした。

Andy Warhol - Mao

時間が足りないのはとにかく見るものが多いからだ。知っている絵だけでもルノワール、モネ、マネ、マチス、ルソーと見とれるほどある。ウォホールのでかい毛沢東のシルクスクリーン(こんなに大きいとは思わなかった)も見事なものだったし、ピカソの赤いソファーの女は「ああ、実物はこれかあ」としばし目を停めさせる。
美術館は結局スケールだなあと思う。観客が多くてもこれだけのスケールがあれば落ちついて見ることができるし、とにかく名画の連打で「名画、そんなのあたりまえ」状態になっていく。

ホッパーのナイトホークという絵があって、アメリカの都会を描いた絵の中ではかなり好きなのだが、その実物が無造作に飾ってあったのにはちょっと驚いた。なんとなく「最初から印刷物」みたいな印象を持っていたので、オリジナルと出会って「あらあ」という感じでしばらく見とれてしまった。
Nighthawks
BROADWAY IS BACK TO CHICAGO
家人に郵便を出したりする用事があったので、待ち合わせ時刻より前に街に出る。郵便局はすぐ見つかって思いがけず時間ができたから、一人でそぞろ歩き。

そのあたりは劇場街。「ブロードウェイの『シカゴ』がシカゴにやってくる」なんていう、なんだか紛らわしい看板を見て、面白いなあ、と思いながら歩く。
この街でもライオンキングをやっている。同じ週に、ニューオリンズでもライオンキングをやっていた。いったいいくつチームがあるんだろう?





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