ふじうら旅日記

5日目 その4






ビールストリートで飲み直し。
昨日の分を取り返す、大満足のステージだ。

ホテルに帰り、一休みしてから食事へ。ダイスケ君が「魚が食べたい」というので、昼間散歩したとき見つけておいたグリルド・サーモンのあるイタリア料理店へ行く。

私が昔はじめてアメリカに来たときは地方のロケ回りだったから昼夜ステーキの連続、魚といえばサーモンフライしかなく、朝食のサラダが待ち遠しかった記憶があるのだが、メンフィスはそこそこ都会でイタリアンレストランがあるのである。

ちゃんとしたテーブルで、なかなかの高級店。スープ、サラダ、魚料理、パスタと注文する。それほど量も多くない。ひさしぶりに「ダシの効いた」味を口にした気がする。ワインも含めて三人で114ドル。この旅の食事の中では高いほうだ。

昨日は早く行きすぎて間があいたので、今日は夜9時半から行くことにして、それまで自由時間にする。その間にピーボディ(地名)にあるショッピングビルに行ってみる。アイザックスターンがオーナーの店などもあってなかなか充実している。アイザックスターンは食道楽らしく、シカゴにもレストランを出している。そのチェーン店だ。

タワーレコードでメンフィスゆかりのミュージシャンのCDやDVDを買う。ここの店員はまったくミュージシャンの顔をしていた。「これからヘレナのブルースフェスに行く」といったら「演奏するのか」と聞かれた。まあ、それが自然な発想というものかもしれない。ただ聞くだけにしてはずいぶん遠くから来たもんだ。

シュワルツネッガー州知事誕生
ホテルに帰る途中、新聞スタンドを見たら「アーノルド・シュワルツネッガー、カリフォルニア州知事に!」という記事が1面トップに掲げられていた。
部屋に帰ってヲサム君に本日の買物のひとつ、マーキーズの「ラストナイト」を聞かせる。「あー、これ、気になってたんですよ」。黒人音楽ミュージアムで聞いた一曲だ。マーキーズはサックスバンドなので、アマチュアサックス吹きであるヲサム君にはひっかかるものがあったのだろう。

9時半になったが、ダイスケ君は寝ている。疲れているようなのでヲサム君と二人で出かけることにする。ビールストリートを一回りしてみたが、どうもラム・ブーギー・カフェから外に流れ出ている音がいちばんイカシテいるようなので、入る。

確かに、よかった。ひとりひとりの技量は昨夜のB.B.オールスターズのほうが上手かもしれないが、バンドとしての一体感はこのバンドのほうが遥かに上だ。
ラム・ブーギー・カフェ
「ではリクエストを」と言って、マーキーズの「ラストナイト」を始めたのには驚いた。たったいま聞いてきたばかりのオーディーズではないか。

旅をしていると「縁」ということをよく思うが、これもひとつの縁かもしれない。

ベースのいないバンド
楽しいステージだった。編成は昨夜のバンドとほぼ同じ、Vo、Gt、Kb、Dr、Ts、Tp、だが、ベースがいない。オルガンが足鍵盤でベースラインを弾いていた。
2ステージ聞いて、代金は飲み物だけ。ステージフィーなし。ときおり客がガラス瓶にチップを入れている。いわゆる「投げ銭システム」である。ビールを2杯づつ飲んでふたりで17ドル。安いものだ。

リクエストをしてみたのだが、Key to the HighwayもRiding with the KingもHoochie Coochie ManもAin't Nobody's Buzinessも「やらない」という。

メンフィスとシカゴでは「ブルース」のレパートリーがこうも違うのだろうか。

もっとも、途中でBefore You Accuse Meはやっていた。
リードヴォーカル&ギター
いいサックスだった。
テナーサックスが大男でめちゃくちゃファンキーで、いかにもメンフィスブロウアウトという感じですこぶる良い。キングカーティスのような野太い音である。
最終曲はオーティスレディングのI Can't Turn You Loose。ブルースブラザーズのオープニングテーマとしても有名だ。店内は大盛り上がり。みんな踊りまくっている。観光客だけでなく近隣に住んでいる人も来ているらしく、地元の人気店という和気藹々とした大騒ぎである。
最後は大盛り上がり




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