ふじうら視線

ブルースロード篇

ふじうら視線

そろそろ三回めの話が持ち上がってきた。




八丈島に行ってからだいぶ時間が経ちました。そろそろ次のサラタビの場所を決めようか、という話が、どちらからともなく持ち出されようとするのですが、ヲサム君はますます忙しく、それになにやらトラブルもあったらしく、なかなか話をすることができません。

その間にもフジウラは、南海の孤島に行こうか、とか、北海道の駅に泊まるなんてのはどうだ、とかいろいろプランを立てていたのでありました。たぶんヲサム君も個人的にいろいろ計画していた、のかもしれません。

そうこうしているうちに、フジウラはあることに気がつきました。ヲサム君はまだアメリカに行ったことがないというのです。テロだのイラクだの、結構アメリカ便はこの時期物騒な感じですが、そーかー、それじゃあアメリカに行こうか、という気分になりました。

観光客が少ない時期に「いまだからニューヨーク!」という企画も立てたのですが、もう日が経って、その頃ほどの新鮮さはありません。

決め手がないままにずるずると日を送っていたのですが、あるとき、また別のことを知りました。2003年はブルースが初めて録音されてから100年目であるらしい。それを記念して、ブルースの生まれた町クラークスデールでブルースフェスティバルがあるというのです。

これは恰好のきっかけだ。フジウラの頭の中には即座にプランが生まれました。まずシカゴへ飛んでシカゴブルースを聞く。それからアムトラックの寝台列車でメンフィスへ行く。これで一泊ホテル代が助かる。メンフィスはエルヴィスの生まれたところ、ここにはBBキングのブルースクラブもある。そこでレンタカーに乗り換えてクルマで南部旅行。ロバートジョンソンとマディウォーターズゆかりのクラークスデールに泊り、ブルースフェスを堪能して、最後にニューオリンズに行ってバーボンストリートでジャズとルイジアナ音楽三昧。

プランしているだけでも最高ですね。多くのブルースマンが旅したニューオリンズからシカゴまでの道、ルート61を逆行しようというのです。

フジウラは早速このプランをヲサム君に提案し、アメリカが初めてのヲサム君はフジウラの熱気に押されてこのプランに同意したのでした。





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