ButterWorth
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湖の間を抜ける不思議な鉄道。
バターワースに着いたら泳ぎに誘われた。

あれはマンゴーの木だ。走りながらジャマルディンが教えてくれる。パパイヤ、ドーリア、バナナの木。「このへんには虎もいるぞ」アジノモトが言う。遠くの線路をなにか動物が横切るのが見える。「いま通ったのはなんだ」「イグアナだろう」イグアナ?あんなに速く動けるのか?

U字型の道と非合法踏切り 正規の踏切りには係員がいるが、非合法の踏切りというのがあちこちにあって、そこでは何度も警笛を鳴らしていく。 例えばU字型になった道があって町から遠いところに踏切りがあるものだから、途中の線路をバイクが勝手に横切っていく。なんだか危ない鉄道だ。

湖を抜けて走るマレー鉄道 両側が湖で、まんなかを鉄道が走っている場所があった。

とても不思議な景色だ。見渡すかぎり右も左も湖なのに、そこを列車が行くのである。運転席からの視界でこの風景を見られたことを喜ぶ。


運転席に座る

湖を抜けた次の駅で席に戻った。
すっかり忘れていたが、荷物は無事にそこにあった。


バターワースに着いた。もう昼過ぎである。運転手のふたりに礼を言う。

「俺たちはこれから泳ぎに行くけど、一緒に行かないか?」
「行く」

どこに行くか知らないがどうせこの町で一日過ごすのだ。この連中と遊びに行くのも悪くない。



c 1998 Keiichiro Fujiura


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