Chiang Saen
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「古都」チェンセンへ。
思ったよりずっと小さな町のようだ。

乾いた道の両側に少しづつ樹木が立ち並ぶようになった。道路に沿って小さな小川が流れている。乾季にも関わらず、空気も潤ってきたようだ。

「いい道だ」。
これが古都へ向かう街道なのだろう。

チェンセンの町に入った。最初の大きな停留所には煉瓦で作った大きな仏塔と「博物館」があった。大いに心惹かれたがまだ終点ではない。この場所はしっかり覚えておくとして、とりあえず今日はそのままバスに乗ってその先へ行く。

終点まで乗ったが大きなバスターミナルというものはなく、川の姿も見えない。ちょっと拍子抜けがする。もっと大きな「河岸の港」のようなものがあるのではないかと思ったのだが。

トゥクトゥクをつかまえて「船着場まで」と交渉すると「10B(30円)だ」という。ずいぶん安いけど?

案の定、角を曲がればすぐそこが川だった。


川に向かって直角にぶつかる大きな道路が、川と平行に走る道路とT字型の交差点を作っている。ちょうどその交差点の位置に川岸に降りるコンクリートの階段がある。階段を降りると船着き場で、小さな桟橋が数本並んでいる。階段の上に小屋があって、ここが船用のイミグレーションになっていた。

川幅は80メートルほどか。泥水の大河だが、思いのほか流れは早い。これが東南アジアの母なる川、メコン川だ。

ここはまだ上流のはずだが、すでに雄大だ。川幅は「泳いで渡るにはしんどい」というくらいだが、対岸の崖は高い。ここを渡っても向こうで登るのは難しそうだ。対岸とは、すなわちラオスである。



c 1998 Keiichiro Fujiura


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