Jakarta
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ヤシガニを食べた興奮から醒めてみると、
みんなに何と言おうか気をもむ二人であった。

帰り道でもまだ興奮していて「日本のおじさんを集めてヤシガニを食べるツアーを企画しよう!」などとヲサム君と気炎をあげながらホテルに帰る。

来たときのタクシーは初乗り2500rp(35円)/降りるとき4200rp(60円)だったが、帰りは1500rp(21円)/2200rp(31円)だった。街で拾ったほうが断然安い。

しかしホテルのバーで飲み直しているうちにだんだん冷静になってきた。思えばこの旅の大きな話題だったヤシガニを自分たちだけで先に食べてしまったのだ。

「みんなになんて言いましょうか、、」
「怒るだろうねえ、、」

グループ旅行はいろいろ大変なのである。



翌朝、みんながロビーで集まったところで早速切り出す。

「昨日、ヤシガニを食べたんですよ」
「え、どこで?」「誰が?」
「ヲサム君と私で」
「ここのベルキャプテンに教えてもらったんです」
「抜け駆けだー!」
「それはないよな!」

ダイトウさんとヤマモリさんはむっとしているが、自由行動の日だったしそれ以上の文句も言えない。ダイトウ夫人は「男の人たちって子供みたい」という顔をしている(推定)。私とヲサム君はとりあえず話してしまったのですっきりした。

「カタン・カナリじゃなくて、ティピン・カナリというのが正しいんですよ」
「うるせー!!」

さあ、バドゥイの村へ出発である。



c 1998 Keiichiro Fujiura


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