Solo
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ソロの撮影も完了。ホテルのテラスでドリアンパーティをし、
雨の中ジャカルタへ飛び立つ。

離宮の装飾 なぜかドイツ帝国的な翼文様 次に訪れたのはマンクヌガランとかいう離宮である。こちらはいくらか地味な建物で装飾も少ない。しかし入ってみるとやはり王の住まいらしく随所に凝ったところがあった。天井に十二星宮の絵がある。これは西洋占星術の影響なのだろうか。


おおがかりなガムランの楽器が4セットもある。聞くと結婚式用、祭り用、それに舞踏用が2セットだという。同じように見えるが用途が違うものらしい。しかし近づいてみると楽器の真上にツバメの巣があって、糞ですっかり汚れている。


休憩所に行ったら、おばちゃんに日本語で話しかけられた。「私は日本語担当」だという。他にも何人もおばちゃんがいて、それぞれが違う言語のガイドらしい。ドイツ語担当のおばちゃんにカタコトの挨拶をしたら、大喜びだ。


果物市場でヲサム君と ソロの撮影も無事にすんだので、一休みしてドリアンを食べることにする。NOVOTELLのような近代的なホテルでは食べられないから、DANAホテルに招待するのである。

まずはGede市場に行ってドリアンを買ってきた。二つで25,000rp(355円)だ。この前田舎で買ったドリアンは一個7500rpだから、やはり安かったことがわかる。


DANAホテルの部屋のテラスに集まる。皆はじめてこのホテルに来たので、建物や中庭を見て「へえ…」という顔をしている。これでNOVOTELLよりずっと安いというと、

「これはいいねえ」

場所が気に入ってもらえたので、ドリアンを食べた後ホテルのボーイを呼んでビールとミーゴレン、ナシゴレン(焼きソバと焼き飯)を頼もうとしたら、ドンさんが「やめろ」という。ドリアンとビールを一緒に食べると毒だというのだ。その説に従って、ビールはとりやめた。

ヲサム君は早くもこのホテルの従業員と友達になっている。


古道具屋の店先で 食後、ヲサム君がお土産を買うのにつきあって、アンティークマーケットに行く。ドンさんは「あそこは高いし、まがい物が多いからやめろ」と言ったのだが、そう高いものを買うわけでなし、観光半分だからいいよと行ってしまった。

「美術品」だけに限らず中古品ならなんでも扱う町らしく、オートバイの部品が積み上げられた店の隣に古道具や古美術品が並んでいたりする。

ヲサム君は小鬼のような鋳物の人形を買った。私は(ガムランのフルセットとまではいかなくとも)何か楽器が欲しかったのだが、まだまだ旅が続くことを考えると、荷物になるので何も買うことはできない。



天候は良かったのだが、空港に着く頃に豪雨になった。

ドンさんは自分の分のビジネスクラスを私に譲るといってきかない。私は一行ではないのだからと言うのだが、どうしてもその券を使えという。ダイトウさんのとりなしで結局私がビジネスクラスに乗ることになってしまった。

Cクラス(ビジネス)のロビーで無料サービスのネスカフェや春巻を食べていると、ますます雨が強くなった。傘をさして飛行機まで歩く。

ガルーダ航空の椅子のポケットにはイスラムのお祈りのしかたを各国語で書いた本が入っていた。



c 1998 Keiichiro Fujiura


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