出発の1時間前にタワウ空港に着いた。出発カウンターはわずか4つ。どのカウンターにもカラーロゴ入りでマレーシア航空の表示がされている。いちばん左のカウンターは、そのマレー航空のマークを隠すようにぺらぺらの白い紙が貼りつけてあって、そこにタイプでBORAC AIRLINEと文字が打ってある。なんとさびしい表示だ。 「さすがボロ航空だなあ」 しかもその席には誰もいない。出発時刻までもう間もないというのに。 |
「用があるならそこに電話してくれ」。 よく見るとボラックのマークの下に小さく連絡先が書いてある。しかしこれは、メルデカ旅行社ではないか。いまさらメルデカに電話してもしょうがないと思うが、他に手がかりもないのでメルデカトラベルに電話をかける。 「ジャマーンさんいますか?」 「空港に行きました」 あ、そう。なにしに来るんだろう。さっぱり事情が把握できないが、彼が来れば話もわかるだろう。とりあえず待つことにする。 |
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