Everything Must Change
Everything Must Change
エブリシング マスト チェンジ
(Bernard Ighner)

「万物は流転する」という格言のようなタイトルを持つ歌。同じ主旨のタイトルにジョージ・ハリスンの「All Things Must Pass」というものもありますが、Changeのほうがわかりやすいです。

この曲の名唱はなんといってもRandy Crawfordでしょう。同名のアルバム(写真)があります。カバー写真のランディ・クロフォードもまだ子供というか、あか抜けていませんね。彼女を一躍有名にした曲であります。

名唱名演は多いです。ということは、感情移入しやすい曲ということでしょうか。最近では綾戸智絵の録音が評判になりましたが、あれは、あまりにもカーメン・マクレエに「くりそつ」です。(機会があったらNew York State of Mindも聴き比べてみてください)

そう難しくもなく歌えそうな気がしたのですが、演ってみてはじめて難しさがわかりました。これはかなりの大曲だなあというのが実感です。

この曲はAAB形式で、私のキーで言えば、A部分のキーはFm、B部分のキーがDbで始まってCsus4で終わります。冒頭のFmからベースが半音づつ下がっていくところはわりあいつかみやすいのですが、後半のDbM7から後が最初ちょっと把握しにくい。

通常、前についている「語り」が最後についているようで、この部分の表現力が問われるところです。

歌詞の内容は「すべては変わって行く。すべては同じではいられない。例外は、雨が雲から降ること、太陽が空から照らすこと、そして音楽が私を泣かせること。」という、、失恋の唄ともとれるし、老境の唄のようでもあります。

そう言えば英語の歌詞って老境の唄が多いですよね。あまり日本語の唄には多くないと思います。ちょうどこの文を書いているいまが2000年の夏で、秋の歌を選んでいるせいかもしれませんが、「Septemberなんとか」というタイトルの曲には「人生の秋が来て、木の葉は色づいて、夏の熱気は遠く去って」というものが多いです。

この歌は直接はそう言っていませんが「若者は年をとり、謎は解けてしまい、、」という諦観には、通じるものも多い気がします。オトナの歌詞が多いんだなァ。

作者のBernard Ighnerは主にR&B畑で活躍している人。ボーカル、ピアノ、アレンジに加えてフリューゲルホーンでもクレジットされています。有名人とは言えませんが、重要なレコードに参加しています。Marlena Shawの「Who Is This Bitch, Anyway」のプロデュースの他、Quincy JonesやSarah Vaughanの録音でコーラスを歌っています。

Quincy Jonesがプロデュースしたこの曲の録音では本人の歌声が聴けます。「ガイドトラックで録った歌に説得力があったので採用した」というエピソードがあります。ただ、そのバージョンではクインシーの編曲が妙にうるさい気がします。コード進行の支配力が強い曲なのでアレンジがやりにくく「なにかしたかった」のかなあ、と思わないでもありません。あのクインシーにして?という疑問の残る編曲だと思いました。

Bernard Ighnerは作曲家としてはあまり知られていません。この曲だけが有名、と言っていいかと思います。他の曲も聴いてみたい気がします。今度探してみましょう。





Everything Must Change

全てのものは移ろいゆく
Ev'rything must change
Nothin' stays the same
Ev'ry one will change
No one stays the same

すべてのものは移ろいゆく
なにも同じではいられない
すべての人は変っていく
誰も同じではいられない
The young becomes the old
and myst'ries do unfold
'Cause that's the way of time
Nothin' and no one goes unchanged
若者は老人となり
謎は解けていく
それが時のやりかた
何者も不変ではいられない
There are not many things in life
you can be sure of

人生に
確かなものは多くない
Except rain comes from the clouds
Sun lights up the sky
and hummin' bird do fly

例外は、雨が雲から降ること
太陽は空に輝くこと
ハチドリは飛び回ること
Winter turns to spring
a wounded heart will heal
But never much too soon
yes,ev'rything must change

冬は春に替わる
傷ついた心も癒える
しかし早まることはない
すべてのものは移ろい行くのだから
The young becomes the old
and myst'ries do unfold
'Cause that's the way of time
Nothin' and no one goes unchanged
若者は年を取り
謎は解けてしまう
それが時のやりかた
すべてのものは同じでいられない
There are not many things in life
you can be sure of

人生に
確かなものはあまり多くない
Except rain comes from the clouds
Sun lights up the sky
and hummin' bird do fly

確かなことと言えば
雨が雲から降ること
太陽が空に輝くこと
ハチドリが飛び回ること
Rain comes from the clouds
Sun lights up the sky
and music makes me cry

雨は雲から降り
太陽は空に輝き
そして
唄は私を泣かせる


CD
Randy Crawford
Quincy Jones
Everything Must Change


ランディ・クロフォード
クインシー・ジョーンズ
ジャズ バラード

楽譜
Jazz Ballad
Quincy Jones
Everything Must Change



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