I'm in a phone booth, baby
Phone Booth
フォン ブース
(COUSINS/CRAY)

ロバートクレイの出世作「Bad Influence」の巻頭を飾る曲。新しき都会ブルースの誕生を感じさせる実にイキのいい演奏で、いま聴いてもゾクゾクするものがあります。

すぐアルバートキングがカバーして、アルバムタイトル名も「I'm in a phone booth, baby」でした。こちらのアルバムジャケットの「夜の電話ボックスにフライングVがひとり」という絵がえらいよかったので、このページのビジュアルにもそちらのジャケットを使いました。

歌詞の大意は「電話ボックスの中にひとりいて、お前に電話をかけ続けているが通じない。この街(シカゴ)には友達もいないし、金もない。外は冷たい風が吹いている」というもの。電話ボックス(Phone Booth)という小道具を使って、いまの時代の孤独を唄った、なかなかよいところに目を付けた歌詞だと思います。

この歌詞とサウンドの冷たさがなんか合っているんですねえ。

なんでこうモダンに聞こえるのかなあとずっと不思議に思っていましたが、あらためて聞き直してみるとギターのカッティングがけっこうフュージョンっぽいんですね。1弦から4弦あたりだけを使って「ちゃーっちゃ んちゃ ちゃっ ちゃー」と弾いています。コード的にもテンションを入れているようです。ブルースギタリストのなかには「サイドキターは全然」という人もいます(例えばB.B.キング)が、ロバートクレイは見事なリズムギターを聴かせてくれます。

「Said "call me Rolita "」のところの歌詞がよく聞き取れませんでした。アメリカのブルース歌詞サイトにはここのところを「Said "Big Rita "」としているものもあったのですが、私はこれは恋人の名前だと思うので、ロリータのほうが可愛いかな、とこう聞いておくことにしました。「"call me Rolita"」は「俺をロリータと呼んでくれ」ではなくて「俺にロリータを呼んでくれ」です。

と書いたとたん、アメリカのつまらないギャグを思い出しました。客が「タクシーを呼んでくれ」(Call me a TAXI)と命じると、ボーイがその客に向かって「TAXI」という、というギャグです。つまり「俺タクシー呼んでくれ」と言ったんだろというわけ(もちろん曲解ですが)。どちらもまったく同じ文ですからね。

この曲はずーっと演りたかったのですが、このリズムをベースで弾きながら唄う自信がなかったのです。いまでも不安です。しかし、まァ、がんばってみます。聴いてください。




Phone Booth

電話ボックス
I'm in a phone booth, baby
Number scratched on the wall
I'm in a phone booth, baby
Number scratched on the wall
I'm new in Chicago
Got no one else to call

俺は電話ボックスにいる ベイビー
お前の電話番号は壁に刻んである
俺は電話ボックスの中にいる ベイビー
電話番号は壁に刻んである
シカゴには来たばかり
他に電話する相手もいない
Been walkin' all day
For old friends I can't find
Hearts so cold
Had to buy me some wine
Calling you, baby
Took my very last dime

一日中歩いたが
古い友達は誰も見つからない
心は冷え切っている
酒を買わなくちゃいけないが
お前の電話のために
有り金全部使ってしまった
I'm in a phone booth, baby
Number scratched up on the wall
I'm in a phone booth, baby
Number scratched on the wall
I'm new in Chicago
Got no one else to call

俺は電話ボックスにいる ベイビー
お前の電話番号は壁に刻んである
俺は電話ボックスの中にいる ベイビー
電話番号は壁に刻んである
シカゴには来たばかり
他に電話する相手もいない
Said "call me Rolita "
Anytime day or night
You know I'm broke and I'm cold, baby
And I hope you'll treat me right

「ロリータを呼んでくれよ」と言ったのさ
朝から番まで一日中
俺の心は痛んで冷え切っている ベイビー
俺に優しくしてくれよ
I'm in a phone booth, baby
With the cold wind right outside

俺は電話ボックスにいる ベイビー
外では冷たい風が吹いている


CD
Robert Cray
Albert King
Phone Booth


ロバート・クレイ
フュージョンブルース
ブルース リズムギター

楽譜
Robert Cray Bad Influence
Phone Booth



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