Complete Doris Day With Les Brown
Sentimental Journey
センチメンタル ジャーニー
(Brown/Green)

センチメンタルジャーニーはジャズの曲としてよく知られていますが、唄の心はちょっとブルースです。

Sentimental Jouney (感傷旅行)というタイトルから、なんとなく失恋の旅だと思い込んでいたのですが、歌詞を読むとどうやら帰郷の旅行のようです。"Yearny"という言葉はあまり見かけませんが、Yearn homeで「家(故郷)が恋しい」と辞書に載っていますから、Never thought my heart could be so yearny で「こんなに家が恋しくなるとは思わなかった」という意味でしょう。roamは「放浪する」。All aboard ! は駅員が声を掛ける「全員乗車!」。サビのSevenとHeavenの韻が印象的です。

モノの本には「このパートのバッキングのリズムは列車の響きを彷彿とさせる」と書いてありました。つまり、これはレイルロードソングなのです。田舎を捨てて都会に出て、ふと望郷の思いにかられて故郷に帰る列車の旅。「なに言ってんだい。帰れるだけましじゃないか」と思う人も多いでしょう。これは白人ですよね、絶対。「センチメンタル」という甘い言葉を使っているあたり、「ぎりぎりのところ」ではない感じです。

1944年11月、作曲者のLes Brown楽団の専属歌手だったドリスディが録音し、翌年大ヒットしました。つまり第二次世界大戦が終結した年に流行したわけです。遠い戦地に赴任している兵士たちに、この曲の帰郷の気分がよくマッチしたのだろうと想像できます。進駐軍とともに流入し日本のポピュラー界にも強い印象を与えました。米軍キャンプで唄った世代にとっては「最新ヒット」だったのです。

インターネットの中には<1938年にエラフィッツジェラルドが「Ella & Her Fellas」というアルバムに吹き込んでいる>という記載もあったのですが、このアルバムは1938年から1952年までの彼女の録音を集めたものなので、1938年にSentimental Journeyを録音したという意味ではないでしょう。ちなみに歌詞はBob Green。「茶さん」と「緑さん」の二人で作った曲です。

FGODの演奏のなかでは最もロックっぽいアレンジにしています。よく知られたメロディなので、かなり泥臭く重くしても原曲が支えてくれると思っています。「古い列車に乗って田舎の町へ走る傷心の旅」。ブルージーに響けば、狙い通りです。





Sentimental Journey

感傷的な旅
Gonna take a Sentimental Journey
Gonna set my heart at ease
Gonna take a Sentimental Jouney
To renew old memories

センチメンタルな旅に出かける
心を楽にしたいから
センチメンタルな旅に出かける
想い出を新しくしたいから
Got my bag, I got my reservation
Spent each dime I could afford
Like a child in wild antipation
Long to hear that "All aboard"

鞄を持って 予約をして
有り金を全部はたいた
子供のように胸をときめかせて
「出発!」の声を待っている
Seven, that's the time I leave at seven
I'll be waitin' up for Heaven
Countin' ev'ry miles
of railroad truck that takes me back

7時。7時になったら出発
天国に行く気分
私を連れ戻してくれる鉄道の響きを
1マイルごとに数えながら
Never thought my heart could be so "yearny"
Why did I decide to roam ?
Gotta take this Sentimental Journey
Sentimental Journey Home

こんなにホームシックになるとは思わなかった
どうして放浪なんか始めたんだろう
このセンチメンタルな旅に乗っかって
家に帰るんだ


CD
Doris Day
Les Brown
Sentimental Journey






楽譜
Les Brown
Ella Fitzgerald
Sentimental Journey



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