ふじうら旅日記

6日目 その2






ブルースの故郷、クラークスデールへ。
町の底にブルースが横たわっている。

クラークスデールに入る。見た目はただの「よくある田舎町」だが、私は内心感慨深いものがある。ここがブルースの生まれた町か。
大きな交差点に「The CrossRoad」というギターの形をした看板が飾られていた。みんな、目一杯ブルースを意識している。
「The CrossRoad」
今夜の泊りは街道筋のCOMFORT INN、ブルースフェスのあるヘレナに行くまえに部屋があることを確認しにいく。三人同室で65ドル、案外安い。きれいだし、ちょうどよいビジネスホテルだ。

フロントで言われたことがちょっと気になった。「ブルースフェスに来たの?ほんとに今晩一泊だけでいいの?」
そうなのだ。今日は木曜日で初日。盛り上がるのは土日なのだ。それは出演者の顔ぶれから見てもわかっている。しかし、限られたスケジュールなので明日はニューオリンズに向けて発たざるを得ない。まあ、少しだけでも雰囲気を味わえればよしとしよう。

今日は初日で会場設営などがあって、ライブ開始は3時からだというので、それまでの時間を利用してクラークスデールの「町」に行ってみることにした。町といってもホントに小さなものだが。
お目当てのひとつは「ブルース博物館」だ。もうひとつは周辺地図の入手だ。このあとブルースの聖地を回るのに、どうしても普通の地図では間に合わない。「ブルース名所地図」みたいなものが必要だ。ブルース博物館で手に入れば一石二鳥だが、そううまくいくかな。

駅についてしまう
通りで道を聞きながら「ブルース博物館」を目指す、と、駅についてしまう。なぜだろう?みんなとても親切なのだが、言葉がよく聞き取れない。これが南部訛りというやつか。
何人目かに聞いたら、おじさんがちょっと待ってろと言って通りの向こうにいってしまった。なんのこっちゃと思って見ていたら、クルマに乗って戻ってきた。「俺の後ろについて来い」。ホントに親切だ。

博物館はこれまで何度も近くを通り過ぎた駅の隣にあった。なるほど、みんなが教えてくれたことは正しかったのだな。
なかなか趣きのあるミュージアムで、場所柄マディウォーターズ中心。

マディがギターを弾きながら唄っている等身大の人形があって、その周りの部屋まで作ってある(作らなくてもすでにあるのかもしれないけど)ので、等身大ジオラマという風景にちょっと感激する。こういう感じで歌っていたんだなあ。
Blues Museum
ブルースクラブ「Ground Zero」
流れていたビデオは生ギターが延々ひとりで弾いているもので、とても良かったのだが、どうやらここでは売っていない様子。売店の姐さんに聞く「ブルースの地図はないかい?」「ここにはないけど近くの店にあるわ」と教えてもらう。
そこまでは歩いてすぐらしい。ミュージアムを出ると通りの向こうにブルースクラブが見えた。「Ground Zero」アメリカのブルースの原点、というわけだろう。行ってみたいが、このスケジュールではちょっと無理かな。
教えてもらった店は「Delta Stockhouse」という名前。ブルース雑貨店という感じで、古いレコードや本などもあって、見ているといつまでも時間がかかりそうな楽しい店だ。手描き地図&コピー製のブルースマップを買う。値段はたしか10ドルか15ドルか、体裁のわりに値段は結構高かった。
「Ground Zero」少し遠くから
クラークスデールからヘレナへ。
ビジターセンターにも寄って、こちらはちゃんとした印刷の周辺ドライブマップを貰う。
さて、準備ができたのでフェスティバルへ。

ミシシッピ川を渡ってアーカンザス州に入った頃から天気が急に悪くなってきた。対向車も雨にかすむほどの驟雨である。白い雨霞の中から巨大なトラックが現れる。ちょっと緊張して、ただただ前を見て進む。
急に豪雨になってきた




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