ヲサム旅日記

3日目 その4






4章−4:2日目。御蔵島〜八丈島

夕方、辺りをぶらつき、宿、満天望へと戻ってきた。

これからのお楽しみは晩御飯。それと食後の散歩。晩御飯は有名な島寿司を食べさせていただけるという。この島寿司とは、ネタをあらかじめ(秘伝の)タレに漬込んでそれをお寿司にしたもので、我々は八丈島に着く前からこの郷土料理は必ず食べようと決めていたものである。そしてもう一つ、食後の散歩。これもここへ来る前から話があったのだが、蛍を見るというもの。最近、蛍なんて見る事はなかっただけにこちらも楽しみであった。
夕景の八丈小島
島寿司
満天望さんでの食事は、ご主人と奥様がお二人で作るもの。どれも美味しい。その中でもやはり、感激したのは島寿司であった。待ちに待ったご馳走であり、それを察していただけたのか、ものすごい数のお寿司が出てきた。

4人で食べても食べきれず、散歩の後のお楽しみに少し残したほどである。その味は、さっぱりとして食べやすく、ポイポイ口に運べた。4人の中で一番食べた自信がある・・・。島焼酎もいただき、かなり良い気分で満腹になる。しかし、この後のお楽しみAがあるだけに酔っ払ってはいけない。何とかほろ酔いにとどめておかないと・・・・。しかし、島寿司だけではなくどの御料理も美味しかった。このまま気分良く眠りにつきたい気分であった。

食後、しばらくして、ご主人とともにお楽しみAである蛍鑑賞にでかける。場所は宿から車で少し走った所。最初は、目が慣れていないせいか辺りは真っ黒。どうも山へ登る入り口のような所で、小さな川が流れている。しばらくすると目が慣れてきた。改めてじっと見ると、小さい小さい光がポツリポツリと見えはじめてきた。蛍である。

川面をフラーリフラリと飛びまわるその蛍たちは本当に自由気ままに飛びまわっているようだ。数多くのぼんやりした光。酒が入っているせいもあるのか、非常に心地よかった。そしてそれは感激するような神秘的な風景に変化していった。気がつくと辺りには小さな光が幾つも飛びまわっていた。小さい頃、蛍を見た事はあるがこれほどの数は初めてだ。感激した。

しかし、いつからか蛍を見なくなったのだろうか?ワタクシの地元はそこそこ田舎である。小さい頃、確かに蛍を見た記憶がある。確か小学生の頃だっただろう、最後に蛍を見たのは。地元にある小さい川にぼんやりとフラフラ飛びまわる蛍だったと記憶する。当時はあまり意識する事もなかったのだろう「ああ、蛍」ってな感じで、チラッとは見るがじっくりとは見なかった。でも、今は感激している。そんな存在になったのだろう、蛍という虫は。

そういえば、小学生の頃に蛍を見たその川は拡張工事されていて、コンクリートで固まっていた。キレイな水のもとでしか生活できないというから、もう田舎に帰っても蛍を見ることはできないのだろう。自分も変化しているが環境も変わっている。普段あまり考えない環境というものを考えることとなった。今のうち考えて頭の中に叩き込んでおかないと、またもとの生活に戻るとすぐ忘れる。この環境、大事にしたい。

しかし、写真を撮るも、やはり普通のデジカメではその神秘さおろか、真っ暗なままで、なーんにもその際の感動をお伝えする事はできないのが残念である。

しばらくすると、我々以外の見物客もやってきたのでそろそろ戻ることにした。宿に戻ると先程、残しておいた島寿司が待っていた。やっぱりそれは美味しく、そしてペロリと胃袋の中に収まった。ウシシ。

今回のサラタビ、いよいよ最後の夜になり、最後の乾杯会となった。部屋でここまで旅を共にした酒、おつまみと共に今回の旅を語る。今回もよく食べて飲んだ。旅を共にしてきた酒やおつまみの量がそれを物語る、帰りは荷物が少ない(それでもまだ少し残っているが・・・・。やっぱり持ってきすぎ。)

しかし、今回もイレギュラーを含む、盛り沢山の旅になった。そう考えると一緒に旅をさせていただいているフジウラさんにはイレギュラーを誘発するパワーがあるのか???えっ、それともひょっとしてワタクシ?まぁ、それはまた次回のサラタビにて検証する事にしよう。

しばらくしているうちに皆で窓の外を眺める。今度は空一面の星。蛍とはまた違った光。これまた心地よい。これほどの星はソコソコの田舎者であったワタクシでも見た事は一度しかない。それは地元一高い山に登った時で、朝ご来光を見に行くため、まだ真っ暗い中、頂上を目指した時である。

あの時は幼いながら感動したものである。今でもその時の感動が頭に残っている。それと同じ位の星の数。ソコソコの田舎ではこの満天の星空は見ることはできず、空気の澄んだ高い山でしか見ることはできなかった。ここ、八丈島はそれほど空気が澄んでいるということである。改めて思う、この環境、大事にしたい。ふと考える、この星や蛍を改めてキレイだと思うという事は、一方でかなり自分はキレイではなくなったのであろう。まあ、いいか。キレイだ、と思えるだけ。そう納得しながらゆっくりと眠りにつく。





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