ヲサム旅日記

3日目 その3






みはらしの湯
4章−3:2日目。御蔵島〜八丈島

我々が向かったのは末吉温泉、みはらしの湯。太平洋を見渡せる露天風呂があるというのでここにした。その写真も中々、絶景かな。
料金は500円。入り口を抜けて、いざ浴室へ。御客さんは、昼過ぎということでほとんどいない。ある意味、貸しきり状態である。早速、有名な露天風呂へ。いや、ナマデ見るとホント絶景である。

小雨が降っていたが、そんなことも気にならず、思わず爽快な気分になった。お湯の色は薄い茶色で、若干ぬるめ。久々の温泉でゆっくり体を伸ばし、のんびりできた。
爽快な気分
ちょっとした秘湯だ。気持ちが良い。温泉からあがると、お客さんがぼちぼちと増えてきた。番台のおばちゃんに聞いてみると、やはりこれからお客さんが増えるという。お客が少なかったのはラッキーだった。でも、この温泉につかりながら、朝日や星空など見るとキレイで気持ち良いだろうな。そう思いながらこの温泉を後にした。

ところで、この八丈島には温泉が数多くある。しかし、八丈島が温泉郷の島である事は、案外知られていないようである。ワタクシ自身もそんな事は全く知らなかった。隠れた秘湯のようである。そんな温泉につかれた事でまた目的達成である。のんびり、ゆっくりできた。
宿の付近まで行くバスを待合室で待つ。真昼間から温泉に入り、これまたボケ-っとバスを待つ。ウトウトしながらバスを待つ。こんなにのんびりしたのは久しぶりだ。ここはそんなのんびりができる場所、八丈島である。


しばらくし、バスに乗って宿のそばのバス停まで向かう。運転手さんに行き先を告げると、宿を聞かれた。満天望さん、と告げると、バス停までちょっと距離があるから途中で降ろしてくれるという。この運ちゃん(推定年齢24,5)、見た目、とっても愛想が悪そうなのに、そのような親切な事を言ってくれた。

でも何か無愛想だなぁと思っていると、バスにはお年寄のお客さんが数多く乗ってきて、その方々が降りる時にはちゃんと声をかけてくれる(ぶっきらぼうに)。この無愛想な姿と愛想のイイ振舞いのギャップにおかしくなった。しかも、お客さんの一人のおばあちゃんが飴玉を差し出すと、恥ずかしそうに礼を言い、即座に口に含んだ。
こんな面白おかしい、ちょっとホッとする光景はこんな所でしか見ることができない。改めて、バスから降りる際に運転手に笑顔で礼を言った(その時もこちらの方を見ず、何となく知らぬ顔)。何かとても心地の良い気分になる。


さて、バスの降りたところは満天望さんのすぐそば。朝、クロサカさんに宿周辺の事を少しお聞きした。その際に面白い話を聞かせてくれたのがこの石。かってかの源頼朝(だった記憶が・・)がこの地に来た時に座ったといわれる石との事。
「為朝」の座った石
為朝(だってば!)の耳石
しかもこの石にはその頼朝の耳の跡がついているという(中央の模様がその耳)。この耳の跡。確かに耳っぽく見えるが大きさでいうと手のひらサイズ。でかすぎるでしょ、って感じである。伝説というのはおかしい、というか面白い。

馬路
まだ時間があるので辺りをうろつく。
玉石垣のある馬路散策路。丸い石を一つ一つ積み重ねて路を造る。どこか、南国気分が味わえる。
そんな路の辺りに咲く花々。
花 花
最近、花などじっくり見ることはなかった。改めて見るとこれまた心地の良い、すがすがしい思いになる。少しカッコつけ過ぎでしょうか・・・・・。
花
ふるさと村
この馬路散策路の奥に無料の「ふるさと村」がある。この村は昔の住居を復元して紹介している。

ここもまた南国的な趣をかもし出す空間であった。
南国的な趣
でもここは日本。
そんな事を思い起こさせてくれる所が歴史博物館であった。

ここ八丈島は流人の島。かって悪人を流罪にて流した島であったそうだ。そのような歴史の詳細な記録が残されていた。それらを見ると、やはり日本的なイメージを思い起こさせる。日本であることと南国的な雰囲気のギャップ。不思議な違和感が感じる場所でもある。
ところで、その歴史によるとこの八丈島に流される罪人は、殺人のような極悪人というより政治犯が多かったそうである。また、刑期が終了しても居心地が良くそのまま居残った罪人もいたそうである。ちょっとした情報も得られる面白い場所である。一見の価値はあり。

しかし、罪人が帰らないほどの居心地の良さは、島人の"人の良さ、優しさ"が成すものなのであろう。先程のバスの運転手さんが思い起こされる。





表紙へ
表紙へ
サラタビへ
サラタビへ
目次へ
目次へ
同じ日のふじうらへ
ふじうらへ
GO PREVIOUS
前へ
GO NEXT
次へ