Baduy
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一向はバドゥイの村に向かい
ジャワ島の山中に入っていく。

ロケ車はジャカルタから南西へ走っている。
乗っているのはヤマモリさん、ダイトウ夫妻、ヲサム君、ドンさん、私、それにガイド助手兼コックのトトだ。トトは中部ジャワ、スンダ地方の方言も話すし、バドゥイの村に行った経験もあるらしい。

バドゥイ。そう、私たちはいまバドゥイの村へ向かっているのである。

ヤマモリさんからバドゥイの話は何度か聞いていた。すべての文明を拒否している。労働も貨幣もそこには無い。「経済」というものが存在しないらしい。乗り物に乗ることもないし、耕作もしない。どうやら古代のままの生活を保っている部族らしい。どうやってそういう文化を保っていけたのだろう。文明との接触を拒否しているというが、そんなところに入ることができるのだろうか。謎は深まるばかりである。


が、あと数時間でその謎を直接見ることができるのだ。ヤマモリさん自身、これまで書物や伝聞でバドゥイのことを調べているものの実際に村へ行くのは今回が初めてだという。一行は、期待のような緊張のような雰囲気にいるのであった。


途中で寄ったよろず屋 バドゥイの村はジャワ島西南部の山中にあるという。ジャカルタからしばらくはハイウェイだが、しだいに田舎道に入っていく。

途中の村の「よろず屋」のようなところに立ち寄って休憩。


ジャワ島の大工さん 近くで家を建てていたので、大工さんの仕事ぶりを眺めに行く。もちろん木造だが、大工と助手のふたりだけで一軒建てるらしい。私たちが見ていたので照れた顔をしていたが、自分の腕に対する矜持が感じられる。こういう大工さんも昔の日本にはたくさんいたのだろう。




c 1998 Keiichiro Fujiura


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