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その手なら知っている。手口はこうだ。 |
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「勝ったらパーティしよう」とあおり、負けると意気消沈して見せる家族に「絶対勝てる手だったのに私のせいで負けてごめんなさい」とカモが泣いて謝った例もある名手口である。 海外での出会いにナイーブに感動する日本人、目先の欲に目が眩んだ中国人を、この一味はカモにしているのだろう。 |
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様子を理解していただくために、種目はブラックジャック、必勝法が「絵札の数を数える」と仮定して説明しよう。これは「カジノ初心者に必勝法を教える」、しかも家庭でプレイするとすればありそうな組合わせだ。 場に出たカードに絵札が少なければ、山に絵札が多いのだから親はバースト(ドボン)する可能性が高くなる。という理屈だが、カモは出た絵札の数を数えるのに夢中でディーラーの手元など見る余裕はなくなる。 「山はほとんど絵札」という状況で、自分に絵札が2枚、つまり「20」。親の見せ札が「4」という局面が訪れたとしよう。親の手は合計で「15」(手札がA)以上ということはないので必ずもう一枚引かねばならず、しかも山札はほとんど絵札である。これは親がバーストする可能性がきわめて高い状況であり、ほとんどの場合自分が勝つと思われる。 |
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カジノなら賭け金は定まっているがそこはホームギャンブル、相手が金額を吊上げて「これに応じなければお前の負け」とか言い出す。 あなたは教わった必勝法でずっと勝ってきている。「相手はアツくなっているな。馬鹿な奴だ。今回は絶対自分の勝ちだ」とそれに応じるだろう。もしも降りようとすると、まわりにいる可愛い女の子に「ここでいかなきゃ男じゃない」とか「勇気がないのね」とか言われる。降りることはとてもできない。 どう考えても自分が勝つことは確実に思えるし、賭けに応じる。ひょっとしたら2枚の「10」を独立させて(スプリット)さらに一枚づつ引き、両方が「20」になるかもしれない。そうすればさらに賭金が倍増する。 |
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ところが、親の伏せたカードが7で、一枚引くと予想どおりそれが絵札。つまり親の手は奇跡のように「21」になってあなたは負ける。 例えばそういう仕掛け。もちろんカードは「仕込んで」ある。 |
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叔父さんはしきりに「よく旅行するのならあちこちのカジノへ行っただろう」とか「大勝ちしたことがあるか」とか言って、私にギャンブル自慢をさせようと水を向けてくる。 「ラスベガスに行ったことあるか?」 「2回。仕事でね」 「種目は何だ?」 |
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私がうっかり「種目はルーレット、ブラックジャックもやる」とか「ギャンブルは得意だ」などと言おうものなら、それをきっかけにカードを取り出そうという様子だ。 |
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