この旅をするきっかけになったのは、入社20年目の「長期勤務休暇」だ。 私の会社には、入社10年ごとの特別休暇がある。私は会社に入って20年になったので15日の休みが「与えられ」る。これをどう使うか考えているうちに「この休暇だけではなく、有休を一度に全部使う」という思い付きに取り憑かれた。 私には毎年25日の有休が支給され、同数を翌年に持ち越せるので、年間50日の有休がある。あまり有給休暇を使わなかったので、年に5日から7日ほど休んで、残りは「捨てて」いた。 有休50日ということは週休2日なので10週間分だ。それに長期勤務休暇15日を足すと13週間休める。しかも有休の「新年度」は4月なので、4月をまたぐようにするとさらに25日(5週間)休暇が増える。 理論的には18週間の連続休暇が取れるのである。 |
理論は理論で、まだ実行した人がいないことも知った。 「そうか」。 前年の秋口に「来年の春、長期休暇を取りますから」と宣言し、周囲に根回しをはじめた。幸い直属上司もその上の局長も私の思い付きを面白がってくれた。おふたりの懐の深さと周囲の寛容に心から感謝している。 |
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