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居直りの結果がこれである。
この旅をするにあたって、次のようなことを方針にした。
あらかじめ何も決めない。普段の旅行ではスケジュールが事前に決まっていて、出発から帰国までおおよそ「なにが起こるかわかっている」。今回は徹底的に「事前になにも決めない」旅にしたかった。少しづつチケットを買っていくので割高になるし入国トラブルなども予想されるが、それは「好きなことするんだからしかたがない」と割り切ることにした。 |
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ミッドクラスの旅。バックパックというと「貧乏旅」となる。数ある本の中には、安いこと不便なことを誇る情報も多い。その気持ちはおおいにわかる。しかし私はもう若者ではないし、そこまで安宿にするのは正直いってしんどい。私としては普通の中年サラリーマンの体力と興味と財布に合った旅をしたいのだが、そんな旅のモデルは見つからなかった。もちろん他に選択肢がなければしかたないし面白がって安宿に泊まることもあるが、日本でもプータローではないのだから旅先だからといって彼らの真似をする必要はない。自由イコール貧乏でもあるまい。自分の器の旅をしようと思ったのである。 |
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ガイドブックは持っていかない。理由は簡単で「重すぎる」のであった。行くつもりの国が10カ国で、バックパックひとつに全部積めていくことは不可能だったので、これはきっぱりあきらめた。結果としてプラスもマイナスもあったが、私にとっては良い判断だった。どこの観光地にも「地球の歩き方」を見ながら歩いている若者がいて100メートル先からでもそれとわかるのだが、見ているとどうしても「ガイドブックをなぞる旅」になってしまう。「あらかじめ何も決めない」旅を目指す身としては、ガイドブックを持たなかったことの利益は大きかったと思う。(失敗もあったけれど、それは後で話すこともあるだろう) |
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行けばなんとかなる。大都市の地図だけは事前に用意した。日本で入手可能なホテルリストはどうしても高級ホテルに片寄りがちだが、入国票に「その国での滞在地」を書く必要もあるのでとりあえず用意した。日本に来るフィリピン人の多くが滞在地を帝国ホテルと書くのと同じくらいナンセンスなものだ。しかし無いよりはましである。田舎や地方都市の地図/鉄道やバスの路線図を日本から入手するのは困難なので「行けばなんとかなる」ということにした。思えばこの旅のキーフレーズは「行けばなんとかなる」であって、私は旅の間何度その言葉を口にしたことだろう。いまここでなんの見込みも情報もなくても「行けばなんとかなる」ことが多いのであった。なんとかならなければ、また別のところへ行けばよいのである。 |
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