Singapore
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午後から夜にかけてシンガポールのバーをはしごする。
この街は美しいが、無表情だ。

おのぼりさんになって、ラッフルズホテルを見に行った。200シンガポールドル(16,600円)も両替してしまったので少し使いたい意味もある。明日の朝にはこの街を出るのだ。

有名な「Long Bar」に入ってビールを頼む。あっというまに飲んでしまったので今度はHalf&Halfを頼む。

アジアの陽射しで肌を赤くした白人観光客が何人もいて、赤いトロピカルドリンクを前にしている。シンガポールスリングである。このバーの名物だが、赤くて甘ったるい軟弱な飲み物なので、ああいった大男には似合わない。

ラッフルズホテルの回廊 ホテルの中庭を見渡す回廊に趣味のいいお店があった。荷物にならないものを探していたら、ピンホールシャツ用の銀のピンがあった。ドイツ製だという。一本買う。大きさとしては耳に入れる前の如意棒くらいである。

ピンの値段は19SPD(1577円)だった。服屋の店員らしく仕立ての良いシャツを伊達に着こなした中年男に「いいバーを推薦してくれ」と聞いてみた。

「CLUCKYがいいだろう」。

ホテルの2階にあったINFOで「クラッキー」の場所を確認して、行って見ることにした。ついでに練習スタジオを聞いたら、地元のミュージシャンズアソシエーションを教えられた。それはちょっと違うんだ。

このとき「クラッキー」と聞こえたのは実は「Clarke Quay」なのでした。この原稿を読んだヤマモリさんに教えていただきました。なにしろ2〜3日の滞在だけで書いているわけで、詳しい人から見ると大間違いも多いと思います。誤りがあったらご指摘ください。



ホテルのコンシェルジェで推薦されたバーは
River Valey Road の一角
Boat Quay / Curcular Rd.の一角
高層バーなら Westin Stamfordのバー
であった。

シンガポールで働いたことのある人は、上のリストを見て「けっ」と言うかもしれない。私は通り過ぎただけなので大きなことは言えないが、どうやらこのリストは観光客用のような感じがする。

ともあれ他に頼りになるものもないのでそれに従ってバーを探しに行くことにした。もう夕刻だ。途中に日本文字で「ラーメン」と書いた店があったので軽い夕食にする。タイガービールと冷奴、味噌ラーメン。ここでの食事は、日本にいるのとあまり感覚が変わらない。


河沿いのバーの灯り
Clarke Quayは河沿いに作られた観光用の一角だった。シンガポールというテーマパークの中のノスタルジックな食堂街である。
そのなかではまともそうな店にCrazy Elephantというアメリカンバーがあった。ブルースバンドが出るというのだが、ライブは10時からだという。まだ早いので紹介された他の店も覗いてみることにする。


Westin Stamfordへ行ってみると、「夜景のきれいなバー」へのエレベータの前に、男女が大勢列を作っていた。なんだかマニュアル通りのデートを見るようだ。鼻白む感じがしたので、そのままホテルの外へ出てMRTでフェニックスホテルへ帰る。途中Orchard通りでドリアンのジュースを飲んだ。

シンガポールの人は眼を会わせても表情がない。都会的と言えば言える。とことん話すことをするのだろうか。同じアジアの人と言ってもそれぞれに違うのだ。簡単に「話せばわかる」といっても、話すまでが難しい。



c 1998 Keiichiro Fujiura


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