|
暑いので人々は夕暮れを待って動き始める。夕闇の中、ランプに照らされてバナナやマンゴスチンを売る夜店の光景は幻想的だ。町の中心にある十字路にはネオンが点いている。掃除をしている姿がネオンでかたどられている。なんだかレレレのおじさんの像みたいでおかしい。 共産圏ではないのに、どこか「中央の意志」を感じるのは気のせいだろうか。 |
|
テレビの番組はマレーシアとインドネシアは全然違う。 マレーシアは上昇志向が強く、為替変動とマルチメディアのニュースをのべつやっているのに、インドネシアは娯楽中心だ。チャンネルを変えても同じような歌番組をやっている。「愚民政策」という言葉が頭に浮かぶ。 |
| タラカンは乗り継ぎの一泊だけだ。それでもマレーシアとインドネシアの違いは如実に感じられる。小さな田舎町タラカンの空気は穏やかで豊かな大国の安心感をたたえていた。このインドネシアの旅はスハルト政権崩壊の2ヶ月前。都市部と一部島部では緊張感が高まっていたようだが、タラカンのような田舎町ではあまりその気配は感じられない。 |
| |
|
|
|