Tawau
次へ


タワウはイスラムの香り漂う港町。
旅行代理店の不思議な男からウジュンパンダンまでの切符を買う。

露店の人々 タワウはサンダカンとはまた違ったおもむきがある。石造りの建物と古風な商店街。通りのまんなかに赤い花が咲き、両側に長屋根の商店が建ち並ぶ。その風景は「植民地の港」を彷彿とさせる。人々は肌浅黒くムスリムの香りが濃い。若い人は西洋風の服装をしているが年配者は民族衣装だ。町の中心部に印象的な青いムスクがあり空気が乾いているので、どことなく中近東のたたずまいを感じる。

ダンロップホテルから通りを渡るとバスの発着所になっている広場がある。パン屋や果物屋がバス待ちの客に向けて店を出し、煙草売が小さな露店をひろげている。女はみな被り物で髪を覆い、色彩豊かな衣装をまとっている。


ボルネオ右岸地図 まずはタラカンまでの切符の手配に、メルデカトラベルへ行こう。親切な女主人に「ここに行きたい」と住所を見せたら「ホテルのクルマを使いなさい」と運転手を手配してくれた。ドライバーにチップ1RM(36円)を渡すだけですむ。安いがサービスの良いホテルである。

その旅行代理店「メルデカ旅行社」は海の近くの通りにあった。この通りにも赤い街路樹の花が咲いている。担当のジャマーンは浅黒く痩身長躯。髭もターバンもないがどこか謎めいた男。エリート官僚のようでもありアラビアンナイトの悪大臣役も似合いそうな不思議な風貌だ。ウジュンパンダンに行きたいと告げると「タラカンで一泊、バリクパパンはトランジット」と勝手に決める。

「ちょっと待て。タラカンで乗り継いでバリクパパンに泊まることもできるのか。」
「それはできない」。

こういうときのマレー人の自信というのがどうも当てにならない。
とは言うものの旅行代理店のプロが「できない」というのでは他に手もない。まあそれでいいだろう。

航空会社はボラック航空。料金はインドネシアのビザ取得代行20RMを加えて563RM(20,100円)だ。インドネシア領事館に自分で行って半日かかるのを覚悟していたので(それもよい経験とは思うが)代行してくれるなら20RMは惜しくない。ここはまったくカードが使えないので香港銀行まで行って両替する。1万円→246RM(1RM=40.65円/ちょっと損なレート)。手持ちの現金が5万円になった。やや心細い。


コタキナバルへのバス発着所 タラカンへの出発日が月曜と木曜というので次の木曜を指定する。それまで数日間タワウの町をぶらぶらすることになる。ちょうどいいだろう。

タワウは小さい町で、しかも道はわかりやすい。どこへでも歩いて移動可能だ。徒歩旅行者にはもってこいの町と言える。ここからサンダカン、コタキナバルへはバスが出ている。私はサンダカンからここへ飛行機を使ってしまったが、その必要はなかった。もしももう一度行く機会があればバスを使おうと思う。


c 1998 Keiichiro Fujiura


表紙へ表紙へ
地図へマップへ
前へ前へ
次へ次へ