Tawau
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イスラムの町の豚肉市場。
タワウには漢字の看板があふれている。

豚肉市場 タワウはマレーシアのなかでは辺境なので、クアラルンプールのようなマレー半島の都市とは文化が違うらしい。華僑ものびのびと暮らしているように見える。

港の近くに「こちら豚肉市場」という標識が立っていた。なんでもないようだが、ここはイスラム文化圏だ。豚肉市場などあるはずがない。これは中国人が自分たちのために開いた市場である。

多くの街で中国人は経済を支配しながらも、一方身を隠しながら生活している。それに比べるとサバ地方の中国人は比較的身をさらして暮らしているように見える。漢字の看板が多く、風水師など中国独特の商売も見掛ける。


足心道脚部按摩中心 焼き鳥屋台の近くに、フットマッサージの漢字の看板があった。「足心道脚部按摩中心」。料金は15RM(535円)。小一時間は指で押している。棒でなく指だけでおこなう。痛いが気持ちよい。通っているうちに中国人の「先生」と雑談をするようになった。

「日本人は来るか」
「来る。みんな足の裏のここが固い。神経を使いすぎだ」
家の入り口は金網で錠がかかるようになっている。おっとりした田舎のようでも、それなりに警戒することもあるらしい。


切符とビザを受け取りにメルデカトラベルへ行く。悪魔的なジャマーンは元気だ。

「木曜日は出発の1時間前には空港に行くように」
へいへい。入国書類に必要だからタラカンのホテルをどこか教えてくれ。
「BARITO TIMURがいいだろう」
値段は?
「どこも同じだ。すごく安い。リンギットでいえば20RMくらいのものだ」

リンギットからルピアの換算。
いよいよ電卓の世界になってきた。


c 1998 Keiichiro Fujiura


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