YogYakarta
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「ヤシガニは実在する。すごく美味い」
ドンさんの発言に一同驚き、食べてみたくなる。

一区切りついたので近くの食堂に昼飯に行く。

チキンと白飯、フルーツたくさん。暖かいレモンジュース(アイル ジュウル ハナス)を飲む。意外においしい。野菜に香りの良いミント(クマニ)がついてくる。

ドンさんは初日と同じナシグッダ(ごった煮乗せご飯)を食べている。

ツタンカーメン型トイレの図 ここのトイレも平たいものだった。
ダイトウさんが「ツタンカーメン」と言ったので大笑い。両側に足をおくところがついていて、確かにツタンカーメンである。

これからプランバナンの遠景を取りにいくのだが、その途中で古い小さな寺へ行く。後ろが農園のようになっていて、牛が放し飼いになっている。

そのあたりを撮影していたら椰子の木がはえていた。その椰子を見て、ヤマモリさんが「ドンさんに聞いてみたら?」という。

そうだ聞いてみよう。ドンさん
「はい?」
「こういうカニはほんとうにいるのですか?」
絵を見せる。

「いる。」

ドンさんは力強くうなづいた。この人が肯定するときは首を大きく振ってうなづくのだが、今回はとくに迫力がある。軽く質問したのだが、一同その返事の力強さに驚いてドンさんに注目する。

ドンさんの描いたヤシガニ 「スラウェシにいる。すごく太っていて爪だけでボウル一杯の肉が取れる。コーラの瓶を切れるほどハサミは強い。」胴体は「ソフトボールくらいだ」と、ドンさんはいう。

左の図がドンさんが描いたヤシガニの絵である。

ほとんど信じていなかったヲサム君やダイトウ夫人も「いるのか...」という顔になる。

ドンさんの話では「ヤシガニの胴体は真ん丸でそこに椰子の油が詰まっていて非常に美味く、ハサミは強力でうかつに手を出すと人間の指などは簡単に切り落としてしまう」という。
インドネシア語では「カタン・カナリ」というらしい。

アカシアの通り それからは、みんなの頭のなかにヤシガニが棲むようになった。

クルマの中の馬鹿話でも
「インドネシア出身の力士がいたら四股名は何がいい?」
「『二つ富士』はどう?」
「やっぱ『椰子蟹』だろー」
というような具合である。

すごく美味いのか、、、この旅の間にカタン・カナリを食べる機会が来るだろうか。



c 1998 Keiichiro Fujiura


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