ヲサム旅日記

5日目 その2






サラタビ第8章:第5日目 その2。ブータン、ティンプー

首都ティンプーをガイド付きで観光。
秘境イメージがだんだん壊れてくる。

本日宿泊するホテル。「HotelRiverView」。ミンジュに言わせれば5つ星のホテルだそうな。外観はウン、そうかなぁと思わせる造り。中に入ってみるとそれらしく世界各国の時間にあわせた時計がかけてある。何となくそれっぽい。
Hotel RiverView
ホテルの部屋の中
しかし、な―んとなく暗いんだよね。部屋はツインルーム。しかし、5つ星ってもんじゃない。いたって普通の部屋。

とはいえ、首都のホテル。今日まで宿泊したブータンのホテルの中で最もホテルっぽい。窓を開け、ベランダに出てみると、やはりその名の通り部屋からはティンプー・チュ(川)が目前に見える。この川の向こう側がテインプーの街並みになる。
川越しにティンプー市街を見る
ホテルに着いたのは11時。昼食まで少し時間がある。カルマはその時間を利用して我々の帰りの便のリコンファームをしにいくと言う。なので、今日のお昼はフジウラさんと二人。そういえばブータンに来て初めてだ、彼らのいない食事は。

話はついているそうで、ホテルのレストランで取るように言われた。1時にまたホテルで待ち合わせ。彼らと別れた。まだ時間がある。フジウラさんはその時間を利用して洗濯をすると言う。そういえば、洗濯かぁ。

ワタクシはフジウラさんとは違い、多めの荷物。最初はアジアということでバックパックを考えていた。でもよくよく考えてみると、ガイド、ドライバー車付の旅。別に無理にまとめなくてもいいかと思い、ソフトスーツケース(小さめ)にしていた。なので、日数分の服を持ってきていたのでワタクシは洗濯の必要はなかった。移動等にも、スーツケースはまったく問題はなかった。かえってリュックとかの方が面倒だったかもしれない。出したりしまったりしなければいけないし・・・。

さて、フジウラさんの洗濯も終わり、昼食までまだ時間もあるのでホテルのそばを少し散歩する事になった。このホテル、ティンプーの街から川一本分隔てている。そのため周りにはなんにもない。ちょうど、街に入る道が工事しているようでこのホテルの前の道を通らなければ街には入れないらしい。そのためか前の道を車がガンガン通る。

不思議な標識
しばし歩くと面白い標識がでてきた。はたしてこの標識の意味は???猿に注意?いや泥棒に注意?二人で考えた結果、すぐそばに学校らしい建物があったので、そこの生徒の飛び出し注意ってことになった。

答えをすっかりカルマに聞くのを忘れてしまい、今となっては迷宮入りなんですが・・・。しかし、この手書きっぽいのは良い感じ・・・。

ブータンに来て初めてフジウラさんと二人きりの食事である。元々、何でも二人で、と考えていただけに気が楽になった。とはいえ、今日までのブータン旅行を考えると逆に若干違和感がある。しかも、ホテルのレストランに客は我々二人だけ。食事はそこそこおいしかったが、何故か早く出発したくなった。
ホテルの食事


福井トヨペット
昼食後、彼らがホテルに戻って来た。さあ、ティンプーの街に、という時、我々の車の横に一台の日本車が停まっていたのに気がついた。よくよく見ると「福井トヨペット」のシールが。インドから流れてきたんだろう。石川県出身のワタクシとしては親近感がわいた。遠いようで近い国、である、ブータンは。

ティンプーの観光。街並みを抜け、(小高い丘を登る。
ティンプー観光
CHANGANGKHA-TEMPLE
初めに訪れたのは小さなお寺。CHANGANGKHA-TEMPLE。こじんまりしている。

とはいえ、特に何ってわけでもない。そこからティンプーの街並みが見えた。
山寺からの眺め
テレビ局は立ち入り禁止
さらに登っていく。続いて訪れたのはブータン唯一のテレビ局、BBSのテレビ塔に。でも観光スポットでもないなぁ。

確かに山のてっぺんにあるので街並みが一望できる。テレビ塔というよりも眺めがイイとのことでの観光スポット採用か。
山頂テレビ局からの眺め
珍獣ターキン
今度は、そこからの帰り道、動物園があるという。すでに外国人観光客が動物を見ていた。動物園といっても数種類の動物しかいない。しかもそこそこ広い土地を柵で囲ってあるだけ。しかしそこには珍獣ターキンが。国獣でもあるらしい。かなり体格は大きいが、物静か。しかし、よく草を食う。

山から降りてくる途中で幾つかのお寺にも寄った。しかし、正直あまりぱっとせず、カルマの方も何となくマニュアル通りに我々を連れていっているといった感じ。特に魅力も感じなくなっていたため、徐々に飽きと疲れが出てきた。やはり、ガイド付は長い旅になると疲れてくる。後から聞いた話だが、コバヤシ夫妻もどうもほぼ同じコースをたどったらしい。
お寺お寺お寺
王立ゴルフ場
そういえば、この国にはゴルフ場がある。国王がゴルフ好きらしい。ゴルフ好きが興じてこのゴルフ場ができたのだろうが、道楽だ。そばをとおると白人がゴルフを興じていた。秘境のイメージが崩壊し始める・・・。



街に降りてきてからは、図書館や郵便局を見てまわった。郵便局は葉書がほしかったというのもあったが、特に何もリクエストせずに、ただ流れにまかせて色々周るとやはり疲れがどっと出る。時刻は4時。結局、特にどこに、という話でもなかったので、カルマ、ミンジュと別れ、自由行動にしようという提案をした。彼らも、すんなりOK。正直彼らも疲れているんだろう。
郵便局
その前にお茶でもという事になり、ガイドブックでも有名な「スイスベーカリー」に入ることにした。お腹は空いていなかったのでパンは食べなかったが、いい匂いはした。

こぎれいなカフェで、周りの客は西洋人が3人と後から2人の日本人が入ってきた。あまり現地の人は来ないのであろうか?そのお二人とお話はしなかったが、聞こえてくる話から類推すると、どうも海外協力隊の方々らしい。ここティンプーには何名かの日本の協力隊員が滞在して様々な活動に従事しているそうである。そういえば、観光している途中でも何人か、旅行者ぽくない日本人をみかけた。日本の数少ない貢献です。これからも頑張ってください。

メインストリートの公園で
カルマ、ミンジュとわかれた後、フジウラさんと二人で街をぶらつく事に。道(メインストリート)の両サイドには雑貨屋さんやアクセサリー屋、布キレ屋さん等、非常に多数のお店。街の中心には映画館もあり、人が集まっている。

観光客向けのお店も幾つかあり、入ってみる。しかし、そこのモノの値段の高さというか価格設定には驚きであった。ここはどこだ!?と思わせるくらい高い。例えばTシャツ。メインストリートぞいのいわゆる現地の人向けのお店では170Nu(約450円くらい)が、そこでは280Nu(約700円くらい)になる。いわば二重価格である。

日本感覚では決して高くないのだろうが、ここはアジアなんだよなぁ。ティンプーとバンコクの街並みを比べると、決して同じには見えないが、ティンプー"ヌルタム"は、タイ"バーツ"と同じくらいの貨幣価値なのである。何か間違ってるよなぁ。

しかし、街の雑貨屋や布屋さんはやはりアジアである。小物や布キレなどはアジアらしく安いものが幾つも売られていた。しかもそこそこ安く。ワタクシはアジアに赴くといつもアジアっぽいくだらない雑貨やアクセサリーを買う。そういった意味ではこっちの方がワタクシの趣向にぴったりなのである。色々安くて面白いものが出てきた。やっぱりアジアはこうでなくっちゃ。

しかし、楽しい買い物ができたという満足感の反面、ブータンの価格設定というか貨幣感覚には不信感をおぼえた。もちろん、アジアの国々には土産などにふっかけてくる場合もある。しかし、国の政策の一つとしての観光政策ならばこれは?であるとワタクシは思う。

買い物にもすっかり飽き、周りを見渡すとインターネットカフェの看板が。これは、と思い二人でその扉をたたく。部屋には4台ほどのパソコン。聞くと1分間3Nu(7.5円程)だそうな。情報にも乏しかったので早速、申し込みをした。しかし、ここ、ブータンでネットが開けるとは思ってもいなかった。前にも書いたように先入観である。山々に囲まれ、どちらかというと非文明国家。しかし、目の前にはパソコンが。まさかブータンで「サラタビ」を開こうとは。
インターネットカフェ
そう、ここティンプーは一国の首都なのである。ブータンであれ・・。ワタクシの先入観は崩れ落ちた。プナカでうすうす感じていたものが、ここではっきり感じることとなる。決してここブータンは秘境ではないのだ。

街角の子供たち
街にはゴやキラ以外の洋装の人も多少いる。途中、中学生と一緒に記念撮影もした。彼らは綺麗なゴを着ており、英語でこちらに話しかけてきた。やはり教育は進んでいるみたいである。ちなみに彼らは日本、東京は知っていた。しかし、どこにあるのかは知らなかった。

ティンプー初日の夕食。地元の若者に有名なお店に連れていかれる。名は「PLUMS CAFE」。写真は看板だけになってしまったが味はそこそこ。確かに若者の姿がチラホラと。しかし、やはり観光客が入ってくる。この光景もちょっと飽きてきた。
PLUMS CAFE の看板
あまり食べないといってもこんな感じ
これまでも含め、出てくる食事も何となく観光客向けでマイルドに作ってあるような気がする。実際、カルマやミンジュはあまり食べない。

やはり旅にでたら現地の人間が食べにくる、そんな地元の食堂に行って食べてみたい。それが、いわば、旅にきてその土地の何かを体感する瞬間のひとつだと思っている。その思いから、食事中、カルマに頼んだ。明日、地元の人間が食べにくるようなローカルな食堂に連れていってくれ、と。すると、彼は快くOKしてくれた。正直、今日は旅の疲れや不満、体調不良などのおかげであまり良い思いをしていなかったので、気分は少し晴れた。明日の食事は楽しみである。

さて、ここティンプーはカルマやミンジュが通常、生活している街である。我々も疲れていたということもあり、今日は彼らを早々に解放することにした。この5日間ずっと我々と一緒。しかもミンジュは新婚だという。こりゃいかん。今日は家で家族とゆっくりしてください、と話し、食後、少し街をぶらついてから、ホテルに戻った。実は翌日、テインプー最後の夜なので、飲んで騒ごうという話を食事中していたので、今日は体を休めようという事にしただけだったのかもしれない・・・。





表紙へ
表紙へ
サラタビへ
サラタビへ
同じ日のふじうらへ
ふじうらへ
GO PREVIOUS
前へ
GO NEXT
次へ