Baduy
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我々の体力を鑑み、ドンさんはコース変更。
いったん入口の村に戻ることにする。

今日はかなり奥の村に行く予定だったが、ドンさんが「いったん入口の村に戻ろう」と計画変更をした。どうやら昨日の歩きぶりを見て「これは無理だ」と判断したらしい。情けないが、道が楽になるのは正直うれしい。

本日の目的地は「生きている樹の橋」だという。いったん入口の村まで戻り、ロケ車を使ってバドゥイのエリアの外側を通って目的地の近くまで行き、そこから歩くという手はずだ。


荷物を運ぶ子供たち
朝飯をすませてから、昨日の道を入口の村まで戻った。地元の子供たちに荷物担ぎをしてもらう。白バドゥイの若者と同じく、駕籠を舁くように荷物を棒にぶらさげてすたすたと歩いていく。



荷物を運ぶ子供たち
道を下っていくと、少年が山のようなバナナを担いでいるのに出会った。同じ方向へ向かっている。ドンさんによると、山から下の村まで運んで1000rp(14円)だという。

荷はかなり重そうだ。持ち上げるだけでやっと、というくらいの量である。右肩の筋肉が異常に盛り上がっている。さすがに歩くのは遅く、私たちの足でも追い抜くこととなった。道の途中で荷物を降ろして、立ったまま無言で休んでいる。そばを通りすぎても口もきかない。けなげである。


入口の村に着いて村長に家に荷物を降ろし、一休みしていると、昨日の白バドゥイのうち二人が訪ねてきた。きのうドンさんと約束したから、という理由らしい。律義なものである。それにしても、夜間早朝にかけて山奥の村へ往復をしたというのに、まるで平地を歩いたような調子だ。



見ると、きのうとは違う山刀を差している。



一休みして「自然樹の橋」へ向かう。白バドゥイはクルマに乗れないから同行するわけにはいかない。村の広場で別れる。なんともなごりおしい。
不思議な感覚だ。きのう会ったばかりでろくに話もしていないのに。言葉も通じないのに。




c 1998 Keiichiro Fujiura


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