Chiang Mai
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ソンクラーンに外出もせずゲストハウスでマンガを読む若者たち。
君たちは何のためにタイに来ているのか。

ホテルにいてもしょうがないので、とりあえず町へ出た。もちろんしこたま濡れる。 チェンライよりは大規模だが、ひとりひとりのやっていることを見れば大差ない。テ レビで見たあたりへ行ってみたらやはりお堀の水をポンプで汲み上げて人にぶつけて いる。あんな水が口に入ったら病気になってしまう。そこはよけて回り道することに した。

できるだけ狭い通りを歩き、突然の被水を避ける。途中寄った店でミーン・ナーム・ ガイ(鶏湯麺)を食べる。思いがけず旨かった。ビールと麺で45B(135円)。

旧市街のマッサージ屋に寄る。服が濡れていてもあまり気にしない様子。「今日はあ たりまえ」ということらしい。1時間100B(300円)で、ちゃんとしたマッサージだった。

マッサージを受けたらまた腹が減ったので、先日関西の娘たちと行ったビルマカレー の店に行く。ビールとポークカレーで135B(405円)。それは美味かったのだが仕付けの悪 い客の子供がバタバタしていてうるさいので、長居をせず出る。地元のビジネスマン 一家のように見えた。「祭日なので外食」というところだろうか。


ソンクラーン(タイ正月)なのだから初詣でもしようとお寺を回る。たくさんの地元 信者が来ている寺もあり閑散とした寺もあったが、この日に参拝をする風習はやはり あるものらしい。露店なども出て、日本の様子に似ている。

そろそろホテルに帰ろうと旧市街の城壁の近くの安宿が集まっているあたりを通りか かったところ、うらさびしい光景を見てしまった。

日本人がよく泊るゲストハウスの前を通ったのでふと隣接した日本食レストランの店内をのぞくと、ソンク ラーン中だというのに、数人の若者が外に出るでもなく話をするでもなく、それぞれがうつむいて マンガを読んでいた。

それはそれは、哀しい光景だった。 君たちはなんのためにチェンマイにいるのだ。日本マンガの古本を読むためか。



c 1998 Keiichiro Fujiura


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