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ホテルの部屋からは電話がかけられない。ロビーにINTERNATIONALと書いてある公衆電話があったが、カード式でコインは受け付けない。 フロントに「この電話機のカードを売ってくれ」と手まねで言うと、手を横に振る。「カードはここにはない」ということらしい。うーん。日本の常識で計ってはいかんことはわかるが、電話があったらカードは必要だと思うけどなあ。 困った顔をしていると(怒った顔に見えたのかもしれない)ホテルの人が外を指差す。それに従って行ってみるとホテルとスーパーマーケットの間に小さな電話局があった。 |
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夕刻そいつがまた近づいてきたので「どこか魚のうまいレストランを教えろ」と聞いてみた。「それならTAMAN RIAがいい」「地図を書いてくれ」。そいつの地図はえんえんと細長く続いている。かなり遠いらしい。そんなところまで歩けるものか。「案内してやろう。そのかわり俺にもビールを飲ませてくれ。」それは来ればオゴるに決まっているのだが、どうもこの男の「おごってくれ」が気に障った。「いや、一人で行く」とタクシーに乗りこむ。 もちろん運転手に言葉など通じない。ただ、その店の名を言うのみである。 |
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