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雨が少し小降りになったので、あちこちで雨宿りをしていた人たちが動き始めた。 上のほうで草刈りをしていたらしい少年がナタを片手にずぶ濡れになって駆け降りてくる。この雷の中でナタは恐いだろう。 その後を、バナナの葉を傘にした制服の男が降りてくる。 |
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従業員の女性はスカートにゴム草履をはいている。雨だからそうしているのだ。面白いから写真を撮ろうとしたら、すぐ普通の服に履き替えてしまった。女性だなあ。ヲサム君はまたもモテて彼女たちと写真を撮る。 ドンさんが彼女たちになにやら電話番号を教えている。なんだろう。まさかナンパでもないだろうけど。 |
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「これが今日の食事場所だから」とドンさんが女性たちにメモを渡している。 ええ?なんのこと? この女性たちを食事に誘っているのかなあ。 女性たちは電話代の小銭(小銭といっても紙幣)をドンさんからもらって山を降りて行った。 |
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ところで皆が降りてきた、この山の上には何があるのだろう。 「寺」だという。 行って見たら寺というよりは「国」だった。山上王国とでもいうのか、ひとつの小さな町がそっくり山上にあった。大門があり、城郭があり、水路があり、寺院、農園の痕跡がある。 まだ修復ができていないので、歩きながら「ここは何だろう?」「水浴場かな」と話す。遺跡はこのくらいのほうがミステリアスでよい。 |
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無警戒に歩いていたら湧き水が突然あって靴を濡らした。やはりバドゥイの村に行くにはこれでは装備不十分だ。
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さっき見た水浴場のような場所は「イニシエーションの場所」だそうだ。どのような国だったのだろう。王が宗門の主を兼ねる宗教国家だったのか。 山門に立って麓を見る気分は「王の視線」。眼下に広がる自分の領土を見るようだ。 |
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