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港の入り口に新しい大きな看板が掲げてある。
「サンダカン行の船が週2回に!」。誇らしげなその広告の主は「サンパギータ海運」という船会社だ。
「ここからサンダカンまで船で行けるのか」
それは、なにかとても魅力的なものに思える。
サンパギータ海運は、市役所のすぐ前に事務所を構えていた。一等地である。この町での地位の高さがうかがえる。入り口に安いチケット客のカウンター、奥に高級客室の応接セットがある。事務所のなかを小銃を持ったガードマンが歩き回っている。
船室のクラスは4段階だ。
エコノミー 300ペソ ビジネス 800ペソ
ファースト 1200ペソ マハリカ 1500ペソ
迷ったが、エコノミーにした。国境を越える30時間の船旅が960円である。船底に詰め込まれて雑魚寝でのたうちまわることになるのだろうか。
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